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実践ブラッシュアップ講座「冠婚葬祭のしきたり」を開講しました

2017.10.30

10月21日(土)協会セミナールームにて、明石伸子理事長による実践ブラッシュアップ講座「冠婚葬祭のしきたり」を開講いたしました。

「冠婚葬祭」は頻繁に耳にする言葉ではありますが、その意味を正しく理解されている方は少なく、古くからの「儀式に関する決まりごと」のように捉えていらっしゃる方が大半ではないでしょうか。しかし、「冠」「婚」「葬」「祭」それぞれのしきたりには深い意味と歴史があり、その本質を知ることで日本人としての文化と伝統を大切にする心を学び取ることができます。

本講座では、まず「冠婚葬祭」とは何か、「しきたり」とは何か、という基本的な定義を明確にします。「冠婚葬祭」とは、人生や生活の節目の重要な行事の総称であり、また、その内容は時代とともに変化していくものなのです。また、「しきたり」は、地域に根差した伝統的な生活文化や宗教に密接に関連していることや、身分や暮らしぶりによっても中身が異なることなどが説明されました。

1021ルーム引き

「冠」のしきたりについては、具体的な事例を挙げながら解説を進めます。生命の誕生に始まり、子供が生まれて成長するにつれ通過儀礼として行われる「帯祝い」「お宮参り」「お食い初め」「初節供(節句)」「七五三」などの歴史や背景などについて詳しくは教わる機会は少ないのではないかと思います。

「お宮参り」「七五三」などの際に、神前で行われる玉串奉奠の作法については、受講生の皆さまにも実際に榊の枝を持って実践していただきました。

1021玉串奉奠アップ

「婚」のしきたりでは「婿入り婚」から「嫁取り婚」への変遷、名古屋の豪華な結納の事例から結納品一つひとつについての説明、皇室における「納采の儀」や神式の結婚式が広まった由来など、興味深い話が多岐にわたって紹介されました。また「結納品」の一つである「長熨斗(ながのし)」が「のしあわび」であることは、本物のあわびで作られた熨斗付の祝儀袋を見ていただきました。受講生の皆さまも初めて実物をご覧になって驚いていらっしゃいました。

続く「葬」のしきたりでは、同じ玉串奉奠でも、二礼二拍手一礼の後の拍手を「忍び手」として音を出さないことや、数珠の珠の数が108で、人間の煩悩の数を僧侶が数えるためのものであったことなどのエピソードが紹介されました。

祭のしきたりアップ

最後の「祭」のしきたりでは、日本の暦の変遷として、旧暦である「太陰太陽暦」から「太陽暦(グレゴリオ暦)」が採用され、明治5年12月3日に変更されたいきさつが紹介されました。

五節供についての説明では、「上巳の節供」で、雛祭りは3つの儀式から成り立っていることが説明されました。神社などで見かける人の形をした紙(形代()で体を撫でてけがれを移し、川や海に流すお祓いの儀式がありました。それが平安時代以降は雛人形を流す儀式となり、室町時代後期には雛人形を飾るようになりました。その他、お盆(盂蘭盆会)や節分の時期に関西を中心に行われる「やいかがし」といった珍しい行事やしきたりも紹介されました。

「冠婚葬祭のしきたり」には、非常に多くの内容が含まれており、3時間でもすべてについて学ぶことは難しいものです。しかし、今回の明石理事長による講義を受講されて、改めて日本のしきたりについて、興味を持たれた受講生が多かったようです。

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