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実践ブラッシュアップ講座「和の作法上級」を実施しました(後編)

2019.11.24

10月20日に増上寺会館「桂の間」で、実践ブラッシュアップ講座「和の作法 上級」の2日目が開講され、昨日に引き続き鈴木万亀子先生からご指導いただきました。

2日目は、前日の復習から始まりました。受講生達の「和室での歩き方」がぎこちなかったことから、改めて歩き方のお稽古です。
頭・肩・腰を動かさないように、丹田に力を入れて胸を張り、畳の上をスッスッと足を擦るように歩く。その時、足の裏が見えないようにすることがポイントです。受講生は一列になって部屋の中をぐるぐると何周も歩きました。
ギクシャクした歩き方がスムーズになってきた頃、先生から「皆さん、ずいぶんきれいに歩けるようになりましたね!」という嬉しい言葉を頂き、正座をして、ここから「本日の講座」です。

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●訪問の所作
相手に訪問を伝える時に、心得ておくべき事は、訪問の日時、用件をメールではなく電話で伝えること。そして訪問に不可欠な手土産に関しても、その選び方や考慮すべき点を教えていただきました。改まった訪問の場合は、品物は風呂敷に包んで持参するもので、風呂敷の扱い方を学びます。各自持参した風呂敷を使って、祝儀と不祝儀の包み方を習いました。畳み方も教えていただきました。覚えてしまえば簡単なことでも、慣れないうちは迷ってしまいます。
やはり身につくまで、繰り返しの練習が必要だと感じました。
玄関先での振舞いに関しても心得ておくべき事がいくつかありました。
コート(外套)の扱い、靴の脱ぎ方、玄関の上がり方など、どれも相手への配慮から生まれたルールなのです。
次に教えていただいたのは座布団のあて方、はずし方に加え、襖の開閉の仕方です。
実際にその所作をやってみました。手順は理解していても、美しい所作にはなっていません。
これもまた自然な所作が身に付くまでには繰り返しのお稽古が必要です。

●祝儀・不祝儀の心得
挨拶の口上、袱紗の扱い方、玉串奉奠・献花の仕方、焼香の仕方に関して教えていただきました。袱紗も祝儀・不祝儀で包み方が異なること。焼香の回数に関しては宗派によって異なりますが小笠原流では、葬儀の場合は故人に向けて1回、法要の場合は仏・法・僧に対して3回であること。単に所作だけでなく、何故そうするのかを説いていただけるので、きちっと頭の中に入ります。

●和食の作法
箸に関する作法はマナーの本でもよく目にしますが、この講座で教えていただけたのは
もっと本質的なことでした。箸には「白木」と「塗り」があり、白木の方が格上であること。
お正月に使う祝箸は白木で、生命力があり、折れ難い柳の木で作られているそうです。
利久箸や丸箸のように箸先が両方とも細くなっているのは、一方を神様が、もう一方を人
が使うためで、神様に感謝しながら神様と共にいただく直会(なおらい)などのための箸だということでした。
さらに、お椀の蓋の扱い方、折敷の上のお料理をいただく時も順番があり、それは和食を美味しく、美しく頂く為の心得でもあることを学びました。

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2日間にわたって「和室の作法」を学んで感じたことは、日本文化の奥の深さでした。日本人であれば身につけておきたいことばかり。しかし一度で身につくものではないので、繰り返し学び続けていきたいと思いました。
また、和室だけでなく、日々の暮らしの中でも生かしていくべき教えであると感じました。

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