TOPICS
  • HOME
  • TOPICS一覧
  • 「実践ブラッシュアップ講座」がスタートしました 

「実践ブラッシュアップ講座」がスタートしました 

2013.08.25

今年4月、当協会では検定制度の改定などを行い、それに伴って誕生したのが「実践ブラッシュアップ講座」です。この講座は「マナー・プロトコール検定」の学習による“知識”をより確実に“身に付け”、教養、品格を養うことを目的としたもので、今後さまざまな講座を順次開講していく予定です。

さて、記念すべき第一回の「冠婚葬祭のしきたり」講座が開催されました。

“冠婚葬祭”は、マナー・プロトコール検定の標準テキスト『改訂版「さすが!」と言わせる大人のマナー講座』でも、7章から10章までに及ぶ重要なテーマです。検定試験でも毎年多くの問題がこのジャンルから出題されていますが、社会人でも案外ここが苦手という方が多いようです。講師を務める当協会理事長の明石伸子は、長い歴史の中で形成されてきた冠婚葬祭のしきたりを知ることで、日本社会や日本人の本質を理解することができると言います。

冠婚葬祭離れと冠婚葬祭を学ぶ意味

冠婚葬祭とは人生の節目におけるそれぞれの儀礼、しきたりを意味するものです。昔の人々は節目をとても大切にし、この節目の日を“ハレの日”とし、日常と区別してメリハリのある生活を送っていました。

かつての日本では、こういった儀式の際に、家族や地域の年長者がそのしきたりを教えてくれたものでした。しかし、核家族化やコミュニティの崩壊により、しきたりの継承が希薄になったという事が冠婚葬祭離れをより一層進めているようです。今後日本の冠婚葬祭がどのように変化していくかは、現代を生きる私達が、これまで受け継がれてきたしきたりをどのように後世に伝えていくかにかかっているとも言えましょう。

今回の講座では、標準テキストや通信講座のテキストでは収録できなかった知識も含めて、より詳しいレジュメを作成し、それぞれのしきたりの意味、由来を学びました。

そして、この講座の中で日本人について多くのことを学ぶことが出来たように思います。

例えば

“冠”で学んだ通過儀礼の中では・・・・

日本では、帯祝いから成人式まで子供の成長を祝う儀式が数多くあります。乳児の死亡率の高かった昔、それぞれの節目を子供が無事に迎えられたことへの喜びの心が感じられると共に、成長した子供を社会に送り出す親としての決意も感じられます。また帯祝いの「帯役」や「お食い初め」の「箸役」を長寿の同性のお年寄りにお願いするといったしきたりには、長寿を願い、年長者を重んじる心が現れています。子を想う親の気持ち、潔い子離れ、年長者を敬い、大切にする心・・・昨今では希薄になりがちなこういった気持ちを、もう一度思い出したいものです。

また、

“祭”で学んだ年中行事では・・・・・

農耕を主たる営みとしていいた昔の日本人は、あるがままの自然とともに暮らしていましたが、「祭り」はそうした自然観により営まれ、受け継がれてきたものです。残念ながら旧暦から新暦に変わったことで、現代の季節感とはそぐわなくなくなってしまったものも多くありますが、かつての日本人は年中行事を祝うことで、自然を育んでくれた神に感謝するとおもに、四季折々の季節を楽しみながら、豊かな日々を過ごしてきたのです。

さらに日本のしきたりの由来を調べると、「陰陽五行思想」の大きな影響を受けています。この思想のルーツ中国の春秋戦国時代(紀元前400年ごろ)といわれており、我が国のしきたりは、当時の中国の儀礼の影響を強く受けていることも実感できました。

ところで、冠婚葬祭のしきたりを学ぶということは、その“時”に過・不足のないふるまいが出来るということでもあります。今回の講座では、神式の葬儀の際の玉串奉奠や、キリスト教の献花の仕方について実習しました。さらに袱紗の包み方、祝儀袋の選び方や取り扱い方、なども含めて実技を充実させていく予定です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA写真:玉串奉奠の練習

冠婚葬祭というテーマを3時間で学ぶことは、かなりの難題ですが、今回の講座は日本の歴史の大きな流れと照らしあわせて学ぶことで、しきたりや作法がどのように私達の生活に根付いてきたのかが実感できたようです。

全国各地からお集まりいただいた受講生の皆さんには、今後も冠婚葬祭の勉強を継続し、そのしきたりの正しい“伝え手”になっていただきたいと思います。

本当にお疲れ様でした。

尚、今後の実践ブラッシュアップ講座の予定はこちらをご覧ください。

TOPICS

ページトップへ