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外国人のお客様を接遇する際は、挨拶以外にも留意しなければならない基本的なポイントがいくつかあります。
(1) 会話中の視線
一般に外国では相手の目を見て話すのが礼儀で、会話中に相手の目を見ていないと、不誠実、不真面目と見られて失礼な印象を与えることになります。さらに、後ろめたさや気の弱さのしるしと解釈されることも多く、悪い印象を与えます。
ただし、例外的なのは韓国人で、日本人と同じように、露骨に相手の目を見つめることはしないようです。特に、目上の人に対しては伏し目がちに対応するのが謙虚さの表われとして好まれるようです。
(2) 「YES」と「NO」の使い方
「YES」は日本人にとっては「はい」という意味ですが、同じ「YES(はい)」でも外国人と日本人ではニュアンスの違う場合もあるので注意が必要です。私たちは、時にはOKという肯定の意味で「はい」と言い、時には「あなたの話しを聞いていますよ」という相槌の意味でも「はい」と言います。
これに対し、英語の「YES」はあくまでもOKの意味しかなく、相槌的ニュアンスでYESを使うと、外国人は非常に混乱してしまいます。よく外国人から、「日本人はYESかNOか、曖昧でさっぱり分からない」と言われるのは、こうした理由からだと考えられます。
また、日本人は相手の心証を害さないようにと考える余り、はっきりと「NO」と言うのが苦手です。そのため、「Yes, but…」などと言ってしまうことがありますが、こうした返答は余程の場合。できないことや無理なことは、どんな理由で何が「NO」なのか、キチンと相手に説明して納得してもらうことが何よりも大切です。曖昧な物言いはかえって不信感のもとになるので注意しましょう。
さらに、「検討します」と言う表現も誤解を招くもとになります。日本的な感覚では、「あまり期待しないでほしい」という否定的な意味合いで使うことが多いようですが、アメリカやインドネシアでは、肯定でも否定でもない中立的な意味を持ち、中国では有望の意味合いになります。こうした国による受けとり方の違いを十分留意しておきましょう。
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