検定1級取得者からのアドバイス(7) 平口 良子 様
例えば、お客様をお迎えするときには身だしなみを整え、笑顔と共に元気な明るいご挨拶でお迎えしましょう、というのは「マナー」の基本として新入職員が教えられる第一歩ですが、当たり前のことと思っていても、緊張感もあり、なかなか思うようにはできません。
しかし、マナーの根底にある「相手への思いやり」というものを考えれば、それほど難しいことではないと思うのです。暑い中を、遠いところを、お忙しい中を「ようこそお越しくださいました」という気持ちを持つことができれば、顔はほころび、心からの言葉でお迎えすることが自然にできるようになるのではないでしょうか。
マナー・プロトコール検定の学習を通じて、このようなマナーの原点を改めて教えていただくことができました。更に小笠原流礼法の「時宜によるべし」という教えに接しました折には、目から鱗が落ちる思いでございました。優先されるべきものが時として変わることがある、という柔軟性。そして、それは飽くまでも「人に対する優しさ、思いやりの心」というマナーの原点に基づいたものに他ならない、ということを改めて心に留めることができました。今後も「マナーを学ぶこと」は心を豊かにする「道」と考え、精進してまいりたいと思っております。
さて、携わっております仕事を通じ、親子・教師生徒・先輩後輩などの関係が変わってきていることを感じております。以前は社会に出るまでにそれぞれの関係からいろいろなことを学んでこられたと思うのですが、最近ではそれが難しくなっているようです。新人を指導するためにも、私自身が「マナー」を正面から学ぶことの必要性を次第に強く感じるようになっておりました。
そのような時に、書店で「赤い本」(日本マナー・プロトコール協会の『「さすが!」といわせる大人のマナー講座』)と運命的な出会い(少し大袈裟ですが、私にはそう思えました)をいたしました。そして、マナー・プロトコール検定のことを知りまして、準2級試験に挑戦。その後、スクーリング講座を経て2級を取得することができました。
検定1級取得を目指される皆様へ
<筆記試験(準1級)対策として>
続いて挑んだ準1級試験では、検定テキストの内容をまとめて、小さなノートに書きました。読むだけではなく、文字にすることで記憶に残ったように思います。それと同時に、その事象の歴史・いわれから理解することも試みました。例えば、「床の間」は、太陽の通る南に向かって東を上位とするために、正式な書院造りでは南向きに設えてある、というように、納得しながら学ぶことも効果的であったように思っております。
<実技試験対策として>
1級の実技試験では、襖の開け閉め、袱紗の使い方、電話の受け応えなどを練習して参りましたが、いちばん初めに行われる1分間の自己紹介で一生懸命覚えていった言葉が出てこず、頭が真っ白になってしまいました。初めての会場、初めての雰囲気で緊張してしまったのだと思いますが、それも実力です。その一分間が長かったことだけを覚えております。後の5つの課題は自分が何をしているのか分かりませんでした。
その後、二度目のチャレンジでは、対策講座での「1分間の自己紹介は丸暗記をせずにテーマだけ決め、最初の言葉が出たら続いて自然に出るようにするといいですよ」という明石先生のご指導を頭に入れて、自己紹介を何とか終えることができました。一つ納得できると自分に自信を持つことができます。 試験開始後の自己紹介を乗り切った後の課題は落ち着いて取り組むことができたように思います。やはり、どのような状況でも自分の持つ力を十分に発揮できることが必要であり、その為には、自然に正しい振る舞いができるように普段の行動を意識することが大切ではないかと思いました。 受験される皆様は、自信をもって臨まれますよう、そしてご健闘をお祈りいたします。
検定実施レポート一覧