(1) サービスの基本は「笑顔の挨拶」
人と人とが出会って、最初に交すのが挨拶。折り目正しい挨拶は接遇の基本です。また、ともすれば無表情で何を考えているか分からないといわれる日本人ですが、常に変わることのない自然で美しいスマイルでお客様に接したいものです。
(2) 相手の立場に立った心のこもったサービス
相手が何を求めているかを見極めるのが、おもてなしの真髄です。外国の言葉を覚えたり、異文化を理解する努力が必要なのは言うまでもありませんが、相手の立場を配慮した誠意ある対応こそが、異文化コミュニケーションの基本であり、国や文化の違いを超えた最高のサービスとなります。
(3) 身だしなみや立ち振る舞い
どんなお客様からも好感を持たれるような、控えめで清潔感あふれる身だしなみが求められます。服装(制服)や頭髪などは、常に清潔でなければなりません。
また、足元、手や指先なども、きちんと手入れをしておきましょう。化粧は、女性本来の美しさを活かすように、できるだけ自然で健康的なものが好まれます。強い香水や整髪料は不快に感じる方も多いので気をつけたいものです。また、粗暴な言動は品位を落とすので、立ち居ふるまいや言葉づかいには十分な配慮が必要です。
(4) 「国際人」的な視野を身につける
言葉の壁や国内の常識にばかりにとらわれていると、外国のお客様に対して消極的になってしまいます。相手を理解しようというグローバルな視野に立って、積極的にコミュニケーションをとろうとする姿勢が大切です。
(5) 大声で話すことは禁物
必要以上に大きな声で話すことは、その人の品性や人間性を疑われます。大声は怒っているようにもとられ、誤解を招いたりお客様のプライドを傷つけることにもなりかねますので注意しましょう。
(6) 敬称には細心の注意を
国によっていろいろな敬称があります。例えば、英国人には「サー」「マダム」、フランス人には「ムッシュー」「マダム」「マドモアゼル」、スペイン人には「セニョール」「セニョリータ」などです。お客様の国で使われている個々の敬称を用いて呼びかけるように心がけましょう。
(7) お客様の名前で呼びかける
欧米人は親しさの表現として、会話の端々に相手の名前を入れて呼びかけます。例えば、単に「おはようございます」と言うよりは、「おはようございます。ミスター・ブラウン」と言ったほうが、はるかに親しみが感じられます。日本では、相手の名前を呼びながら会話をする習慣があまりありませんが、海外からのお客様にとって、自分の名前を覚えてくれているということは、安心と信頼に繋がります。また、こうした行為の積み重ねが、リピーターづくりのポイントにもなるのです。
(8) 差別をしない
接客において、最もお客様を不愉快にさせることの一つが、応対上の差別です。国籍や人種、年齢、性別、肌の色などによって応対の仕方を変えるようなことがあってはなりません。特に外国のお客様は、日本人よりもはるかに差別に敏感です。ひとり一人を、大切なお客様として尊重し、分け隔てなくもてなす心が大切です。
|